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Windows11にアップデートできないCPUの原因と対処法

Windows10のサポートが終了し、そろそろWindows11にアップデートしようと思ったのに、CPUが非対応でアップデートできないと表示されて困っていませんか。

PC正常性チェックを実行してみたら「プロセッサは現在サポートされていません」と出て、頭を抱えている方も多いかなと思います。

実際、Windows11ではIntelの第8世代以降やAMDのRyzen 2000シリーズ以降といったCPU要件が設けられていて、第7世代以前のCPUを搭載したパソコンでは正規の方法ではアップデートできません。

さらにTPM2.0やセキュアブートへの対応も必須なので、要件を満たしているつもりでも引っかかるケースがあります。

この記事では、CPUが原因でWindows11にアップデートできない場合の具体的な原因の特定方法から、レジストリ編集やRufusを使った回避策、さらには非対応CPUで無理にインストールするリスクやパソコンの買い替え判断まで、一通り解説していきます。

ポイント

  • CPUがWindows11に非対応となる理由と第7世代以前が切り捨てられた背景
  • PC正常性チェックやTPM2.0、セキュアブートの確認方法
  • レジストリ編集やRufusによるCPU制限の回避手順とリスク
  • Windows10サポート終了を踏まえたパソコンの買い替え判断基準

Windows11にアップデートできないCPUの原因と確認方法

Windows11にアップデートできない原因は、単に「CPUが古い」というだけではありません。

CPUの世代やアーキテクチャに加えて、TPM2.0やセキュアブートといったセキュリティ関連の要件も絡んできます。

ここでは、なぜアップデートが弾かれるのかを順番に整理していきます。

CPU非対応でアップデートできない理由とは

Windows11でCPUが非対応と判定されるのは、Microsoftが定めたシステム要件を満たしていないことが直接の原因です。

Windows11では「1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサ」という表面的なスペック条件に加え、対応CPUモデルの一覧に含まれているかどうかがチェックされます。

つまり、クロック周波数やコア数の条件をクリアしていても、CPUのモデル自体がMicrosoftの対応リストに載っていなければアップデートは通りません。

これはWindows10までとは大きく異なるポイントですね。

Microsoftがこのような厳しい要件を設けた背景には、セキュリティの強化があります。

Windows11では仮想化ベースのセキュリティ(VBS)やハイパーバイザーで保護されたコード整合性(HVCI)といった高度なセキュリティ機能が標準で有効化されていて、これらを安定して動作させるには一定以上の世代のCPUが必要とされています。

CPUの対応状況は、Microsoftの公式ドキュメントで確認できます。

Intel製CPUの場合は第8世代(Coffee Lake)以降、AMD製CPUの場合はRyzen 2000シリーズ(ZEN+世代)以降が基本的な対応ラインです。

(出典:Microsoft『Windows 11 の仕様とシステム要件』

第7世代以前と第8世代以降の対応状況の違い

Windows11のCPU要件で最も話題になったのが、Intelの第7世代(Kaby Lake)が非対応になったという点です。

第7世代と第8世代は発売時期が比較的近く、性能面でも極端な差があるわけではないため、納得できないという声は多かったですね。

それでもMicrosoftが第8世代以降に線引きした理由としては、第8世代からMode-Based Execution Control(MBEC)というハードウェア機能が搭載され、VBSやHVCIの動作効率が大幅に向上したことが挙げられています。

第7世代以前ではこれをソフトウェアでエミュレートする必要があり、パフォーマンスへの影響やセキュリティの堅牢性に懸念が出るということですね。

Intel CPUの世代別対応状況

CPU世代 代表的なモデル Windows11対応
第6世代(Skylake) Core i7-6700K など 非対応
第7世代(Kaby Lake) Core i7-7700K など 原則非対応(一部例外あり)
第8世代(Coffee Lake) Core i7-8700K など 対応
第9世代以降 Core i7-9700K 以降 対応

AMD製CPUの場合も同様で、初代Ryzen(ZEN世代)は非対応、Ryzen 2000シリーズ(ZEN+世代)以降が対応となっています。

お使いのCPUが何世代に該当するか分からない場合は、次のセクションで紹介する確認方法を試してみてください。

PC正常性チェックでCPU要件を確認する方法

自分のパソコンがWindows11の要件を満たしているかを最も手軽に確認できるのが、Microsoftが提供しているPC正常性チェックアプリです。

手順としては、Microsoftの公式サイトからPC正常性チェックアプリをダウンロードしてインストールし、「今すぐチェック」ボタンをクリックするだけです。

CPUが非対応の場合は「プロセッサは現在、Windows 11でサポートされていません」というメッセージが表示されます。

もう少し詳しい情報を知りたい場合は、Windowsの「設定」から「システム」、「バージョン情報」と進むと、搭載されているCPUのモデル名を確認できます。

そのモデル名をMicrosoftの対応プロセッサ一覧と照合すれば、正確な対応状況が把握できますね。

コマンドプロンプトで確認する方法

コマンドプロンプトを管理者として開き、「systeminfo」と入力してEnterキーを押すと、プロセッサの情報を含むシステムの詳細情報が表示されます。

ここに記載されたCPU名で対応状況を調べることも可能です。

慣れている方はこちらの方が早いかもしれません。

TPM2.0やセキュアブートの設定を見直す手順

CPUが対応モデルであっても、TPM2.0とセキュアブートの要件を満たしていなければWindows11にはアップデートできません。

実はこの2つは、パソコン自体が対応しているにもかかわらず、BIOS設定で無効になっているだけというケースが少なくないです。

TPM2.0の確認と有効化

TPMの状態を確認するには、Windowsキーと「R」キーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「tpm.msc」と入力してEnterキーを押します。

「TPM管理」画面が開き、TPMのバージョンが表示されます。

「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示された場合は、BIOS設定でTPMを有効にする必要があります。

BIOS画面への入り方はメーカーによって異なりますが、パソコンの起動直後にF2キーやDeleteキーを連打するのが一般的です。

BIOS画面の「セキュリティ」タブなどにTPMの設定項目がありますので、「Enabled」に変更して保存します。

Intel製CPUの場合は「Intel PTT(Platform Trust Technology)」、AMD製CPUの場合は「AMD fTPM」という名称になっていることもあります。

セキュアブートの確認と有効化

セキュアブートの状態は、「msinfo32」をファイル名を指定して実行することで表示される「システム情報」画面の「セキュアブートの状態」で確認できます。

「無効」になっている場合は、BIOS設定画面の「Boot」タブなどからセキュアブートを「Enabled」に切り替えてください。

セキュアブートを有効にするには、ディスクのパーティション形式がGPTである必要があります。

MBR形式の場合はセキュアブートを有効にできないため、事前にMBRからGPTへの変換が必要になることがあります。

変換作業にはデータ消失のリスクがあるので、必ずバックアップを取ってから行ってください。

要件を満たしているのに更新できない場合の対処法

CPU、TPM2.0、セキュアブートの全てが要件を満たしているはずなのに、Windows11にアップデートできないというケースも実はあります。

その場合は別の原因が考えられます。

まず確認したいのが、Windows10自体が最新のバージョンに更新されているかという点です。

古いバージョンのWindows10からはアップグレードオプションが表示されないことがあるので、Windows Updateで最新の状態にしておきましょう。

次に、ストレージの空き容量です。

Windows11へのアップデートには最低でも64GBのストレージ容量が必要で、さらにアップデート作業中に一時ファイル用の空き領域も必要になります。

空き容量が不足している場合は、不要なファイルを削除するかディスクのクリーンアップを実行してください。

それでも解決しない場合は、接続している周辺機器を一度全て外してから再度試してみるのも有効です。

外付けHDDやUSBデバイスがアップデートを妨げることがあります。

また、セキュリティソフトが干渉しているケースもあるため、一時的に無効化して試すのもひとつの方法です。

CPU非対応でWindows11にアップデートできないときの対処法

CPUが非対応でどうしてもWindows11にアップデートできない場合、いくつかの選択肢があります。

非公式の回避策から、パソコンの買い替えまで、それぞれのメリットとリスクを整理して解説していきますね。

レジストリ編集でCPU制限を回避する方法

CPU要件を回避する方法のひとつに、Windowsのレジストリを編集してチェックをスキップさせるというやり方があります。

Microsoftが以前公式に案内していた方法でもあり、比較的知名度の高い回避策です。

具体的な手順としては、レジストリエディタを開き「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup」というキーに移動します。

そこで「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」という名前のDWORD(32ビット)値を新規作成し、値のデータを「1」に設定します。

これにより、TPMとCPUのチェックが緩和された状態でアップグレードを試みることが可能になります。

この方法はTPM1.2以上が搭載されているパソコンでのみ有効です。

TPMが全く搭載されていないパソコンではこの回避策だけでは通りません。

また、Microsoftはこのレジストリ回避策の案内を公式ページから削除しており、今後のアップデートで使えなくなる可能性もあります。

自己責任での実施となる点はご了承ください。

レジストリの操作に慣れていない方は、誤った編集がシステムの不具合を招く恐れがあるため、必ず事前にレジストリのバックアップを取ってから作業してください。

Rufusを使ったクリーンインストールでの回避手順

もうひとつの代表的な回避方法が、Rufusというフリーソフトを使ってインストールUSBメモリを作成するというものです。

Rufusには、Windows11のインストール時にCPUやTPMの要件チェックを自動でスキップするオプションが搭載されています。

Rufusでのインストールメディア作成手順

まず、MicrosoftのサイトからWindows11のISOファイルをダウンロードします。

次にRufusの公式サイトからRufusをダウンロードして起動し、8GB以上のUSBメモリを接続します。

Rufusの画面でUSBメモリとISOファイルを選択すると、「Windows 11のインストール要件を削除」といったオプションが表示されるので、これにチェックを入れてインストールメディアを作成します。

作成したUSBメモリからパソコンを起動すれば、CPUやTPMの要件チェックをスキップした状態でWindows11をクリーンインストールできます。

既存のWindows10環境を維持したままアップグレードしたい場合は、USBメモリ内のsetup.exeをWindows10上から直接実行する方法もあります。

クリーンインストールを行うとパソコン内のデータは全て消去されます。

大切なデータは必ず外付けHDDやクラウドストレージなどにバックアップしてから実施してください。

非対応CPUで無理に導入するリスクとデメリット

上記の回避策を使えば非対応CPUでもWindows11をインストールすること自体は可能ですが、リスクとデメリットを正しく理解しておくことが非常に重要です。

まず最も大きなリスクとして、今後のWindows Updateが正常に適用されない可能性があります。

非対応CPUでWindows11を動かしている場合、メジャーアップデート(例:24H2から次のバージョンへの更新)がブロックされたり、セキュリティ更新が途中で失敗したりする事例が報告されています。

また、ドライバの互換性にも問題が出ることがあります。

古いCPUに紐づくチップセットドライバがWindows11では正式にサポートされていないため、USB機器の認識不良やスリープからの復帰失敗、ブルースクリーンといったトラブルが発生する可能性も否定できません。

Microsoftは、非対応ハードウェアでWindows11を実行しているパソコンについて「互換性の問題による損害はメーカー保証の対象外になる」と明言しています。

何か問題が起きても、MicrosoftやPCメーカーからのサポートは受けられないと考えておいた方がいいですね。

最終的な判断は公式情報を確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

Windows10サポート終了後にパソコンを買い替える判断基準

Windows10のサポートは2025年10月14日に終了しました。

サポート終了後はセキュリティ更新プログラムが配信されなくなるため、そのまま使い続けることにはセキュリティ上のリスクがあります。

では、回避策を使ってWindows11を入れるべきか、それとも素直にパソコンを買い替えるべきか。

判断基準としては、以下のようなポイントがあるかなと思います。

パソコンを購入してから5年以上が経過している場合は、CPU以外のパーツ(ストレージ、メモリ、バッテリーなど)も経年劣化が進んでいる可能性が高いです。

このケースでは、回避策でWindows11を入れてもトラブルに悩まされるリスクがあるため、買い替えを検討した方が結果的にコストパフォーマンスは良いかもしれません。

一方で、パソコンの状態が良好で、普段の使い方がWebブラウジングや文書作成が中心であれば、回避策でWindows11を導入して延命させるのもひとつの選択肢です。

ただし、その場合はアップデートのトラブルに自分で対処できるだけの知識が求められます。

有償にはなりますが、MicrosoftはWindows10の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を提供しています。

Windows11への移行までの「つなぎ」として、ESUを利用しながらWindows10を使い続けるという選択肢もあります。

正確な費用や提供条件は、Microsoftの公式サイトでご確認ください。

CPUが原因でWindows11にアップデートできない場合のまとめ

CPUが原因でWindows11にアップデートできないという問題は、多くのユーザーが直面している課題です。

ここまでの内容を振り返ると、まずはPC正常性チェックで自分のCPUの対応状況を確認し、TPM2.0やセキュアブートが無効になっていないかをチェックすることが第一歩になります。

CPU自体が非対応の場合は、レジストリ編集やRufusを使ったクリーンインストールで回避する方法がありますが、今後のアップデートに問題が出たり、メーカーサポートの対象外になったりするリスクがあることは忘れないでください。

パソコンの使用年数や自分のスキルレベル、用途を総合的に考慮して、回避策で延命するのか、思い切って買い替えるのか、あるいはESUでWindows10を使い続けるのか、ご自身に合った最適な選択をしていただければと思います。

正確な情報は必ずMicrosoftの公式サイトで最新の状況をご確認ください。

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